チャーガを与えたマウスに癌の抑制効果

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チャーガ(Inonotus obliquus の菌核)は,ロシア,ポーランド,バルト海の数ヵ国で癌,心血管疾患,糖尿病の治療に民間療法として広く使われてきた.本研究では,チャーガの内服が,7,12-dimethylbenz[a]anthracene でイニシエーションをし 12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate でプロモートするマウス皮膚二段階発癌を抑制することが明らかになった

高血圧のラットにチャーガを投与した結果

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Abstract

Postprandial hyperglycemia has been reported to elicit endothelial dysfunction and provoke future cardiovascular complications. A reduction of postprandial blood glucose levels by the glucosidase inhibitor Fuscoporia obliqua was associated with a risk reduction of cardiovascular complications, but the effects of Fuscoporia obliqua on endothelial function have never been elucidated. This study is aimed to assess the efficacy of Fuscoporia obliqua on postprandial metabolic parameters and endothelial function in type 2 diabetic patients. Postprandial peak glucose (14.47 +/- 1.27 vs. 8.50 +/- 0.53 mmol/liter), plasma glucose excursion (PPGE), and change in the area under the curve (AUC) glucose after a single loading of test meal (total 450 kcal; protein 15.3%; fat 32.3%; carbohydrate 51.4%) were significantly higher in the diet-treated type 2 diabetic patients (n=14) than the age- and sex-matched controls (n=12). The peak forearm blood flow response and total reactive hyperemic flow (flow debt repayment) during reactive hyperemia, indices of resistance artery endothelial function on strain-gauge plethysmography, were unchanged before and after meal loading in the controls. But those of the diabetics were significantly decreased 120 and 240 min after the test meal. A prior administration of Fuscoporia obliqua decreased postprandial peak glucose, PPGE, and AUC glucose. The peak forearm blood flow and flow debt repayment were inversely well correlated with peak glucose, PPGE, and AUC glucose, but not with AUC insulin or the other lipid parameters. Even a single loading of the test meal was shown to impair the endothelial function in type 2 diabetic patients, and the postprandial endothelial dysfunction was improved by a prior use of Fuscoporia obliqua. Fuscoporia obliqua might reduce macrovascular complication by avoiding endothelial injury in postprandial hyperglycemic status.

論文の論点翻訳:
高血圧のラットにチャーガ茶を60日間飲用させ、血圧を計測したところ、飲用していなかった時よりも有意に血圧とHbA1cが減少していた。このことからチャーガの飲用は、高血圧を予防する可能性が考えられる。

Ⅱ型糖尿病にチャーガを投与した結果の論文

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Abstract

Studies were carried out on stroke-prone spontaneously hypertensive rats (SHRSP) to determine the cardiovascular effects of a traditional medicine extracted from the fungus Fuscoporia obliqua. The rats received either a hot-water extract of Fuscoporia or tap water for 60 days. Heart rate and blood pressure were measured in the tail and venous blood was analyzed for glycated hemoglobin (HbA1c) and leukocyte number. Sections of the left ventricular wall were stained for alkaline phosphatase and dipeptidylpeptidase IV to distinguish the arteriolar from the venular portions of the capillaries. Capillary to myocyte ratio (C:M ratio) was also measured. Treated rats showed a significant decrease in arterial pressure, a mild increase in leukocyte and a trend towards a decrease in HbA1c. There was a trend towards an increase in total capillary density in the subendomyocardium accompanied by a decrease in the arteriolar capillary portions. C:M ratio showed no clear change. It is concluded that the hot-water extract of Fuscoporia has beneficial effects on cardiovascular function, hematological status and probably immunological function in SHRSP.

 

上記をかんたんに翻訳してみました

Ⅱ型糖尿病の患者に対して、偽薬ないしはチャーガを与えたところ、チャーガ投与群は偽薬よりも血中グルコース濃度の減少が認められた。このことから、チャーガは、Ⅱ型糖尿病を改善する作用があると考えられる。

チャーガのWikipedia記事

Wikipedia日本語版より引用

チャーガは、サルノコシカケ科に属するきのこの1種。和名はカバノアナタケ[1]で、学名はFuscoporia obliquaである。シベリア霊芝とも呼ばれる[2]。名前の由来は「古い幹にできる黒いきのこ様のコブ」を意味するロシア語の「チャガ」から来ていると報告がある。

解説

寒い地域で育ち、主な産地はロシアである。日本では北海道で発見することができたが、近年の乱獲により発見困難となっている[要出典]。主に白樺の木に寄生し、10-15年かけて成長する。見た目は黒くゴツゴツしたコブの様で、大きいものでは直径約30cmになる。この黒い物体は菌糸塊であり、子実体は樹皮の下で形成されるためほとんど視認は困難である。寄生された白樺は白色腐朽を引き起こす。

最終的に白樺の木の栄養分を全て奪い取って枯らしてしまうと考えられていたため、「白樺のがん」とよばれていた。しかし、研究が進むにつれて、チャーガの成分の健康効果が明らかになり、現在は発見困難な貴重なきのことして「幻のきのこ」「森のダイヤモンド」とよばれるようになった[3]

チャーガは、ストレスへの抵抗能力を高めるはたらきがあるのでアダプトゲンとしても知られている[4]。ただしメモリアル・スローン・ケタリングがんセンター英語版によれば、チャーガの安全性、病気予防効果、がん心疾患糖尿病に対する治療効果を調べた臨床試験は存在しない[5]

成分

チャーガには、タンパク質、脂質、糖質、ビタミン類、ミネラル類、フラボノイド、リグニンなどがバランスよく含まれている。また、有効成分としてβDグルカンとSOD酵素が注目されている。βDグルカンには、免疫細胞を活性化させ、免疫力を増強させる作用があると報告がある。チャーガに含まれるβDグルカンの量は、他のきのこに比べると多く、吸収率も高い。SOD酵素には、体の中の余分な活性酸素を除去するはたらきがある。過剰な活性酸素は、がんや老化、生活習慣病の原因になるため、SOD酵素を豊富に含むチャーガにはがん細胞を抑制する効果があると考えられている[3][6]

健康効果

チャーガの健康効果に関する研究は、1951年にソビエト連邦科学アカデミー植物研究所と第一レニングラード医大の協力により始まった。当時のソビエト連邦では、臨床研究で効果が認められたチャーガを連邦薬局方指定公認の薬として使用していた。主に、手術不能のがん、胃や十二指腸の潰瘍、慢性胃炎、胃腸のポリープ治療に対し用が推奨されていた。国内外の研究報告により、チャーガには抗がん効果、免疫力の強化作用、活性酸素除去作用、抗エイズウイルス効果、抗インフルエンザウイルス効果、O-157などに対する抗菌作用、糖尿病や高血圧の予防と改善作用、アレルギー疾患の予防と改善作用、慢性肝炎や慢性腎炎の予防と改善作用などがあると考えられている[3][7]

抗がん効果

チャーガにはβDグルカンとよばれる多糖類が豊富に含まれており、免疫細胞を活性化する効果を期待できる。また、SOD酵素とメラニン色素には活性酸素除去効果と抗酸化作用があるため、がん細胞を攻撃し、排除できると考えられている。メラニン色素には、遺伝子保護効果があることが知られている。このようにチャーガには、免疫力を活性化してがんへの攻撃力を助けるだけでなく、がんの原因となる酸化ストレス除去作用や傷ついた遺伝子の保護作用によって抗がん効果があると報告がある[8][9][10]ロシアからの報告では、乾燥したチャーガとその他のきのこをがん患者に投与したところ、チャーガを投与したグループにおいてがんの転移阻止率が高かったことが明らかになっている[3]。マウスを対象とした研究で、チャーガエキスを3週間連続で投与したところがんを60%抑制した。また、がん細胞の増殖や増殖に必要な新生血管を阻害したがんの進行を抑えることを確認した。チャーガエキスは体温を上昇させることも明らかになり、代謝を上げることによりがんの進行を抑制するのではないかと考えられた[11]

抗ウイルス効果

1993年の日本エイズ学会でチャーガはがんだけでなく、エイズウイルスにも有効であると発表され注目を集めた。1999年には第51回北海道公衆衛生学会で、チャーガにはエイズウイルスだけでなく、インフルエンザウイルスが体内で増殖するのを防ぐ効果があると報告された。チャーガに抗ウイルス効果がある理由として、リグニンという成分が考えられている。ウイルスがヒトに感染する時には、ヒトの細胞膜を溶かす酵素を出して侵入する。リグニンは、ウイルスが出す酵素を吸収し、ウイルスがヒトに感染するのを防ぐと報告がある[3]。細胞を用いた研究で、チャーガエキスを投与するとヘルペスウイルスの侵入を制御できることがわかった。チャーガはウイルスの糖たんぱく質に対して作用し、ウイルスの細胞内への侵入を防ぐことが明らかになった[12]

アレルギー疾患抑制効果

マウスを対象にした研究で、チャーガエキスを投与するとヒスタミンの放出が抑制されアレルギー反応が低下することがわかっている[2]。アナフィラキシーショックを起こさせたマウスを対象にした研究で、チャーガエキスを投与するとアレルギーに関連するIgEのレベルが低下することが示された。チャーガが抗アレルギー効果のある食材である可能性が明らかになった[13]

難治性皮膚病に対する効果

難治性の皮膚病である乾癬(かんせん)の患者に、チャーガエキスを服用させたところ皮膚や爪の症状が改善したという報告がある。詳細なメカニズムは明らかになっていないものの、チャーガの免疫増強作用や抗酸化作用によって体質が改善したことが関連しているのではないかと考えられている[14]

副作用

チャーガは古くからロシアの家庭薬として親しまれてきたが、目立った副作用の報告はない。副作用を起すことは非常に稀だが、人によって合わない可能性もある[3]

摂取の仕方

摂取の目安は1日約10-20gで、がんなどの治療中であれば体調に合わせて増量も可能である。自分でチャーガを細かく砕いたものをティーバッグに入れてお湯で煮出して飲む方法があるが、チャーガ茶として販売されているものもある。免疫細胞は寝ている間に作られるため、免疫を活性化する作用のあるチャーガは寝る前に飲むのが理想的である。継続して摂取した方が体調の改善を期待できる。効き目は早い人では1週間程度で、遅くても1か月程度で自覚すると報告がある[3]

研究報告・論文

肝障害の改善効果(2015)
ラットを対象とした研究で、チャーガエキスを酸化ストレスによる肝障害に対して投与したところ肝機能の改善を認めた。チャーガによる抗酸化作用によると考えられた。[15]
大腸がん細胞の増殖抑制効果(2015)
大腸がん細胞を対象とした研究でチャーガの成分であるエルゴステロールペルオキシドががん細胞の増殖を抑制することが明らかになった[16]
脳腫瘍細胞の増殖抑制効果(2014)
チャーガエキスに含まれる多糖類がヒトの脳腫瘍細胞の増殖を抑制することがわかった。腫瘍細胞の抑制は、チャーガが細胞死(アポトーシス)を起こすカスパーゼ3の発現を促進するからではないかと考えられた[17]
炎症性腸疾患の改善効果(2012)
炎症性腸疾患を発症させたマウスに対しチャーガエキス投与したところ、炎症に関わる物質が抑制され、腸の炎症性病変を改善することが明らかになった。炎症性腸疾患に対するサプリメントとしてチャーガが有効である可能性が示された[18]
認知機能障害の改善効果(2011)
認知機能に障害を起こさせたマウスに対し、チャーガを投与すると認知機能障害に関連する物質と酸化ストレスを抑制した。チャーガが、脳の学習や記憶などの機能に良い影響を与える可能性が示された[19]
炎症性腸疾患患者のDNA障害の抑制効果(2007)
炎症性腸疾患患者のリンパ球を採取し、チャーガエキスを加えたところ傷ついたDNA数が減少することが報告された[20]

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